ランナー膝(腸脛靭帯炎)

こんにちは。 年も明けマラソンシーズン真っ盛りですね。 やまだ整骨院の周辺も皇居ランニングをしている方が多くいます。
そこで以前、ランナーに多いシンスプリントについて書きましたがランナーに多いケガはそれだけではありません。
ランナー膝や鵞足炎などもあります。そこで今回はランナー膝について書いていこうと思います。
ランナー膝とは
ランナー膝は腸脛靭帯炎という、膝の外側にある靭帯の問題です。
膝の曲げ伸ばしを繰り返す(走る)時、この靭帯が脚の骨の出っ張り(大腿骨外果)の上を、行ったり来たりします。
通常であれば、問題なくスライドしていくのですが、 脚の外側の筋肉(大腿筋膜腸筋)が硬くなる(硬縮)ことで 滑らかにスライドしにくくなってきます。
それでも膝の曲げ伸ばし(走る)を続けていると、痛みにつながります。 一度、この状態になると、当然走るのを休まないといけません。
症状
大腿骨外顆周辺に限って圧痛が存在します。腸脛靱帯は明らかに緊張が増し、時に靱帯の走行に沿って疼痛が放散します。
初期はランニング後に痛みが発生しますが、休むと消失します。しかし、ランニングを続けていると次第に疼痛は増強して、簡単に消失しなくなってきます。
原因
腸脛靭帯は骨盤の部分で、前を大腿筋膜張筋、 後ろを大臀筋という筋肉と繋がりを持っています。
ですから、この2つの筋肉が硬くなると腸脛靭帯のスライドの動きが悪くなり、 摩擦が生じやすくなります。
症状として膝のお皿の斜め上の外側に痛みを生じます。 時に大腿外側部全体に痛みが出る事もあります。
初期はランニング後に殿部や太ももの外側に違和感や痛みが生じ、休むと軽快しますが、 悪化するとランニング初期にも痛み出し、歩行や階段時にも痛みが生じます。
診断
膝外側の圧痛、運動時痛。
症状の誘発方法(徒手検査法)として、膝を90度屈曲して外顆部で腸脛靱帯を押さえてから膝を伸展していくと、
疼痛が誘発されるgrasping testが有用です。
レントゲンでは著明な変化はありません。MRIでも特徴的な所見はありません。
セルフチェク
チェク1
椅子に座った状態で、膝のお皿の少し上の外側部分を指で圧迫します。 大腿骨外側上顆と呼ばれる部分です。
圧迫した状態で膝の曲げ伸ばしをして、 痛みが出たらランナー膝、腸脛靭帯炎の可能性が高いです。
チェク2
痛い方の脚を上にして膝を曲げて横向きで寝ます。 痛い側の足を後ろに引いてそのまま足を下に下ろします。
下がらない場合や、膝に痛みが生じる場合は腸脛靭帯炎の可能性が高いです。
対処法
走った後の痛みには、アイシングを。患部を冷やすことで炎症を抑えます。
そして、腸脛靭帯に繋がる、 大臀筋、大腿筋膜腸筋のストレッチ。 この2つの筋肉の柔軟性を高めるのが大切です。ぜひ試してみて下さい。
大殿筋のストレッチ
仰向けに寝て、両膝を立てる。
伸ばしたい側の脚を、逆側の脚にかける。
そのまま立て膝を手で体に寄せる。
深く3回呼吸。
大腿筋膜張筋のストレッチ
仰向けに寝て、伸ばしたい側の膝が上になるように、脚をクロス。
その脚の膝を手で押さえつつ、床に近付けて行く。
深く3回呼吸。
さらに大事なのは、中臀筋を強化すること。 中臀筋とは、片足立ちで体重を支える時に最も重要とされる筋肉です。
骨盤から太ももの外側についています。この中臀筋が弱くなると、 大腿筋膜張筋や大臀筋が代わりに過剰に働くようになり、硬くなる原因になります。
中臀筋の筋力を高める事が、腸脛靭帯炎の予防につながります。
中殿筋のトレーニングは過去のブログ「骨盤の歪みはどのタイプ?」にて紹介しているのでそちらも一緒にご覧ください。
やまだ整骨院は皇居からも15分ほどの所にあるのでランニング帰りや走ってて痛くなった方はメンテナンスによってみて下さい。
骨盤の歪みはどのタイプ?
https://yamada-seikotsu.com/blog/kotubannoyugami
ランナーに多いシンスプリント
https://yamada-seikotsu.com/blog/shinsupurinto
鵞足炎
https://yamada-seikotsu.com/blog/gasokuen