腱鞘炎による痛み

腱鞘炎
腱は骨と筋肉をつなげる、線維性の結合組織です。腱は腕から指まで束状に何本も通っており、腱の働きにより指の曲げ伸ばしや手首の動きが可能になります。そして、複数の腱を束ね関節を曲げる際に、腱が浮き上がらないようにしているのが腱鞘です。この腱と腱鞘の間に起きた炎症を腱鞘炎といいます。腱鞘炎は、職業柄パソコンを使うことやものを書くことの多い方(物書きや事務作業員など)、スマホの使い過ぎでなりやすいです。発症しやすい部位は手首や指であり、それぞれドケルバン病ばね指などと呼ばれます。他にも足の腱鞘炎もあります。
原因
腱鞘炎は、腱鞘の質の変化や手指の使い過ぎ、靴紐の締めすぎや、靴のサイズが合っていないなどの人に発症します。また、40代~60代の女性や妊娠中、出産後にホルモンバランスが崩れることによってもなりやすく注意が必要です。
腱鞘の質の変化
腱鞘の質の変化とは、腱鞘が肥厚したり、硬くなったりすることを指します。また、加齢や糖尿病によって腱鞘の変化を生じることもあります。
手指の使い過ぎ
関節の使い過ぎにより、腱と腱鞘の間に起こった摩擦によって炎症が起きてしまいます。
症状
最初は、手をうまく動かせない、痛みはないが手首に腫れがみられるなどの前兆があり、指や手首の使用中に、不快感や瞬間的に痛むが次の瞬間痛みが消えていることがある、といった初期症状があらわれます。悪化すると治療しても再発を繰り返すようになるので、できるだけ初期段階での治療が必要になります。また、中期ではこの場所を押すと痛いという圧痛点が明確になり、痛み不快感も継続的に起こるようになり日常生活にも支障が出てくるようになります。多くの場合はこの段階で初めて腱鞘炎であると自覚します。末期症状になると神経痛が起ったり関節が動かなくなり、手術が必要になる場合もあります。
ドケルバン病の症状
親指を広げたり、伸ばしたりする長母指外転勤と短母指伸筋の狭窄性腱鞘炎で両側の発症は少ないが、利き手に多いとは限らない。手首の母指背側に痛み、張れが出て母指を動かしたりすると、この場所に強い疼痛が走ります。物を持つ、ペットボトルを開けるなどの親指を使ったつまみ動作によって、痛みを感じます。
ばね指の症状
指を曲げる際に、腱と腱鞘の間に摩擦が起きることによって炎症が発生し腱が肥厚することにより、引っかかる現象をばね指といいます。指の付け根に腫脹や圧痛があり、朝のこわばりが強く、日中は使っていると症状が軽減することもあります。親指、中指に多く悪化すると指が動かない状態になります。
足の腱鞘炎
足の腱鞘炎は、使い過ぎというよりも、靴による圧迫で腱鞘炎が起こることが多いです。足の甲の付近は皮膚のすぐ下を腱が走ります。おもに、長趾伸筋腱、長母指伸筋腱、前脛骨筋腱、短腓骨筋腱の付着部に多いです。足首の周辺や足の甲側の痛み、指先のしびれなどの症状があります。裸足で歩く分には痛みがないのに、靴を履いて歩くと症状が現れるということもあります。 腱鞘炎の症状は、朝方に悪化する傾向があります。これは、就寝中に体がむくみがちになることが影響します。こうした生理的な変化によって、腱鞘炎の症状が悪化すると考えられています。
治療法
まずは、関節に負担をかけないためテーピングや専用のサポーターをしたり、足の場合は靴紐を緩めるか靴を変えたりして、安静を保ちます。お風呂に入るときには、冷たい水と温かい水に30秒ぐらいずつ交互に5回ほど繰り返し入れる方法もあります。それでも改善しない場合には、マッサージ、関節のバランスを整える骨格矯正なども効果的な療法として挙げられます。しかし、症状が重くなり指が動かなくなったり再発を繰り返す場合は、腱鞘を切り開いて傷ついた組織を取り除くという手術が必要になる場合もあります。また、腕には多くの神経があり、その神経を傷つけてしまい手術後に、握力が戻らなくなってしまうケースがあったり「反射性交換神経性萎縮症」という、腱鞘炎以上の痛みが走る新たな病気を抱えてしまうことも少なくありません。手術にはリスクもあるということを知っておきましょう。
当院では、肩から手にかけての筋肉や腱を緩めていきます。特に肘関節周りを調整し動きをスムーズにすること、前腕の位置を調整することで関節の負担が減り痛みが改善しやすいです。
さらにテーピング等を施し筋腱をサポートしてあげることにより負担を減らします。
気になる症状・お悩みがありましたら当院にご相談ください
腱鞘炎のセルフマッサージとテーピング法
https://yamada-seikotsu.com/blog/kennsyouennnoserufumassa-zi
親指・手首の腱鞘炎
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足の腱鞘炎
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