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2019.09.19 更新

小児肘内障

~子供の腕が抜けた、腕が痛くて動かさない、泣き止まない~

みなさんは肘内障をご存知ですか?
0歳~6歳ぐらいのお子さんが、急に泣き出して腕を使わなくなることがあります。


肘内障(ちゅうないしょう)は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がはずれかける、いわゆる亜脱臼を起こしてしまった状態のことです。
手をつないでいた子どもが突然勢いよく走り出し、意図せずして腕を引っぱってしまうことは非常によくあることです。

しかし、このような動作が原因で、子どもの片腕が急に動かなくなってしまうことがあります。これが、病名こそ知られていないものの、決して珍しくはない子供の病気「肘内障」です。


肘内障は子どもによく見られる怪我のひとつで、特に小学入学前までのお子さんに見ることが多いです。また、男女比でみると、女児にやや多い傾向があります。

基本は、徒手整復術で治療します。治療後しばらくの間は再発しやすいため、注意が必要です。


原因

小さい子どもの体は発達途中のため、肘の輪状靭帯と橈骨頭はしっかり固定されていません。そのため転ぶ、腕を強い力で引っ張られる、腕を掴んで何度も持ち上げるなど、ふとしたきっかけで亜脱臼を起こすことがあります。

また、なかには寝返りをきっかけに肘内障を起こすこともあります。

成長に伴い骨格が完成するとこのような理由による亜脱臼は減ります。 症状 肘内障を起こすと関節に痛みを伴うため、泣き出す子どもが多いです。

また肘内障を起こすと腕が動かせなくなるので、片腕がだらんと下がった状態になります。肘をやや曲げた状態でお腹の近くに腕を持ってくると痛みが軽減することがあるため、こうした姿勢を好んでとることもあります。

痛みは肘に限局されるため肘を動かすのを嫌がりますが、その他の関節は問題なく動かせます。時間が経つと痛みは軽減しますが、関節や周辺組織の異常は残ったままなので患部を動かすのを嫌がるようになります。



診断

受傷時の状況と、肘をやや曲げた状態で下げたままにして、痛がって動かそうとしないことから、肘内障を疑います。
骨折や脱臼との鑑別のために、X線(レントゲン)検査で骨や関節に異常がないことを確認することもあります。


治療

肘内障の治療は医師による徒手整復術が行われます。整復術では特に手術や全身麻酔などは不要で、診察室で数秒の短期間程度で終了することがほとんどです。

整復術には、前腕を回内しながら肘を屈曲させる回内法と、前腕を回外位で肘を屈曲していく回外法があります。どちらの方法を用いて整復をするかは医師が判断します。


整復後には、おもちゃを取ってもらう、バンザイをしてもらうなどして手が動くかどうか確認します。

整復術をしても肘内障が解消されない場合には、骨折などの可能性を考えレントゲン撮影をすることもあります。その場合には日を改めて整復を試みることが多いです。

肘内障が治った後しばらくの間は再発しやすいため、可能であれば発症後1日は公園など遊べる環境へ行くことや、保育園でのお外遊びを控えることが理想です。


しかし、小さなお子さんに対して遊ぶことを制限するのは現実的には難しいことです。「可能な限り」あるいは「アクティブに遊びすぎない場所に行くという選択肢があれば」程度に考えるのがよいでしょう。

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