側彎症

脊柱は頸椎、胸椎、腰椎、そして仙椎と尾椎から成り立っています。

「側彎症」とは背骨が左右に湾曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。思春期の特に女児に発症する、思春期特発性側弯が最も多くみられます。

左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起（前屈した状態で後ろから背中を見た場合）、などの変形があります。
側弯が進行すると、用背部痛や心肺機能の低下をきたすことがあります。






原因と病態


日本での発生頻度は1～2％程度で、女性に多く見られます。
原因不明の側彎症を特発性側彎症といい、全側彎症の60～70％を占めます。そのほか、脊柱の先天的な異常による側弯を先天性側彎症、神経や筋の異常による側弯を症候性側彎症といいます。 特発性側弯は思春期の女児に多く見られ、無症状であることも多く、大人になってから側彎症に気が付くこともあります。

日本では小中学校の健康診断などで、お辞儀をして左右の肩や肋骨の高さの違いから、背骨の彎曲を調べる「モアレテスト」という簡便な検査を取り入れることで早期発見に努めています。
側弯は成長に伴って進行することが多く、女性の場合は容姿の問題にもなる為、早期発見早期治療が重要です。





側彎症は私生活に影響を受けるのか？

最近の研究結果では、カバンの種類や重さ、寝る姿勢、睡眠時間、ﾍﾞｯﾄか布団か、などの生活習慣は側彎症と関係はないとあります。しかし、やせ型の女性に多いことが分かったようです。

スポーツ経験に関しては、クラシックバレエの経験がある女性は、側弯の発生が1,3倍で、ただしバレエをしていたため側弯になったのか、側弯になりやすいやせ型の女性がバレエを続けていたのか分かっていません。





症状


１外見上の異常

片方の腰部・背部の突出や肩の高さの左右差、ウエストラインの左右非対称、肋骨の突出、乳房の形の左右差、円背や凹背尚が見られます。


２ 心理的負担、ストレス

側弯変形が大きな心理的ストレスを引き起こす原因となることがあります。


３ 呼吸器症状

進行すると、肺や心臓を包んでいる胸郭が変形し、肺活量の原料や息切れを感じるようになります。






検査

側彎症を正確に診断するには、最終的には医師によるレントゲン検査が必要です。 しかし、医師でなくても注意すれば簡単な方法で側彎症を疑うことができます。

日常生活の中で、お母さんが一緒に入浴しながら背中を流して気が付くとか、服を新調する時に両肩や背中がきちんと合わないとか、スカートの丈が左右で違っていることからも気が付くことがあります。
また、立位検査や前屈検査で見つけることができます。



立位検査

後ろ向きにまっすぐ立った、気をつけの姿勢で行います。

① 肩の高さに左右差があるかどうか。

② 肩甲骨の高さと突出の程度に左右差があるかどうか。

③ ウエストラインが左右非対称かどうか。 前屈検査 両方の手の平を合わせ肩の力を抜いて両腕を自然に垂らし、膝を伸ばしたままでゆっくりお辞儀をさせます。肋骨や腰に左右のいずれかに盛り上がりがあり、左右の高さに差があるかどうか。





治療法

治療は側弯の角度（コブ角）と年齢、骨成熟度によって決められます。

① 経過観察 成長期で、側弯が20～25°以下の軽い側弯に対し、進行するかどうか判定できないために3～6ヶ月ごとの専門医による定期的な診察を受けることが大切です。

② 装具治療 側弯が25～40°までの軽症あるいは中等度の側弯に対し、側弯の進行防止、矯正及びその保持のために装具療法が行われます。
装具療法の目的は側弯の進行防止であり、彎曲した脊柱をまっすぐな正常に戻すことではありません。装具で側弯を矯正しながら成長させ、手術に至らせないことです。

③ 手術療法 側弯をまっすぐ正常な脊柱に戻すことは手術以外に宇可能です。手術が行われる理由には、側弯の進行防止と美容上からみた変形の矯正であり、そのほかに腰部痛や背部痛の軽減、呼吸機能の悪化防止と改善、神経症状の発生予防と改善などがあげられます。
手術を行うかどうかは、年齢、側弯の部位とタイプ、進行程度、背部痛などの症状の有無、基礎疾患や合併症の有無などを考慮し、総合的に決められます。



当院でも原因や対処することも 承っておりますので、 まずは、一度ご相談ください！