腰痛の主な原因

多くの方が経験したことのある腰痛は病名ではなく体に現れる症状の事を言います。
腰痛の原因となりうる障害や病気は数多く存在しますが、大きく4種類に分けられます。
特に筋・骨格系に障害がある原因が多いと思われます。
1 腰の骨や筋肉といった組織の損傷
2 神経障害
3 ストレスや鬱などの心理的な要因
4 内臓の病気
1.腰の骨、筋肉、靭帯、軟部組織等の損傷(器質的な痛み)
腰椎は固い骨「椎骨」と、軟らかい軟骨「椎間板」が交互に積み重なって構成され、
更に椎骨同士は「椎間関節」という関節で連結されています。
積み重なった骨が崩れないように、腰椎の周囲は筋肉と靭帯によって支えられています。
その為こうした腰の組織が疲弊し損傷することで生じる痛みです。これを器質的な痛みと言います。
◎急性腰痛症
筋膜性腰痛症(ぎっくり腰)
腰の周囲には腹筋・背筋のほか、体の奥深くの大腰筋や脊柱起立筋などの筋肉があり、
腰椎(腰部の背骨)を周囲から支えて腰椎にかかる負荷を軽減し、背骨のゆるやかなS字カーブを保って正しい姿勢を維持しています。
筋肉疲労が軽めの初期は、いわゆる"筋肉痛"の状態ですが、疲労が更に蓄積すると、筋線維、筋膜等に炎症反応を発生させます。
腰の筋肉に炎症が起こって、にぶい痛みや"こり"、だるさ、重くるしさなどを感じた時は筋膜性腰痛です。
筋肉はたくさん動かした時だけでなく、長時間同じ姿勢を取り続けたり、
前かがみや中腰など無理な体勢をとった時にも、緊張して固くなり、血液の流れが悪くなって疼痛を発生させます。
これは痛みや疲労の元となる物質(乳酸等)などが、固く柔軟性のない筋肉に筋代謝低下を創り出しているからです。
また、腰の筋肉や靭帯が疲労で弱った状態で、腰を急にねじったり、
重い荷物を持ち上げようとしたりして一度に大きな負荷がかかると、筋肉や骨格を捻じり腰部の捻挫の状態になり、
急性腰痛症やぎっくり腰のような"急で激しい痛み"に見舞われることもあります。
◎椎間板症、進行すると椎間板ヘルニア
背骨は、硬い骨「椎骨」と、柔らかい軟骨性の組織「椎間板」かかる衝撃をクッションのように吸収・分散しています。
20歳を過ぎた頃から椎間板の老化がはじまり、年齢と共に少しずつ水分が失われ、徐々に弾力性がなくなり硬くなっていきます。
衝撃を吸収する働きが弱まっているところに、腰に一度に大きな負荷がかかったり、
長期間腰を使い続けて負荷が蓄積したりすると、内部の髄核が押しつぶされたり、線維輪に亀裂が入ることがあります。
こうした病状を「椎間板症」と呼びます。
また進行して押しつぶされた髄核が周囲の線維輪を突き破り、外に飛び出した状態を椎間板ヘルニアと言います。
◎椎間板症
症状・特徴が見られる場合
線維輪には痛覚神経がありますので、椎間板がつぶれることで腰の痛みやだるさといった症状が現れます。
腰の痛みを感じる方は椎間板症の状態が多いと思われます。
自覚症状として腰に痛みや重さ、だるさを感じる特に"前かがみ"になった時に症状が強まる事が多いようです。
◎椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、ぎっくり腰のような急な激痛ではじまる「急性型」、腰に鈍い痛みがしつこく続く「慢性型」があります。
またヘルニアができた場所によって、痛む部位、痛み方、現れる症状に特徴が見られます。
背骨の内側を通る中枢神経「脊髄」は、腰のあたりから多数の神経に枝分かれし、腰椎の間を通って足先に向かって伸びています。
分岐した神経はそれぞれ別の部位の感覚を支配しているため、損傷を受けた神経ごとに現れる症状が変わります。
よって、レントゲンなどの画像検査をしなくても、症状を詳しく調べることでヘルニアのある箇所をある程度特定することができます。
腰椎(腰部の背骨)は、5つの椎骨が積み重なって、その下に仙骨が位置する構造になっています。
上から4~5番目に大きな力がかかりやすいため、ヘルニアは第4~第5腰椎の間と、
第5腰椎と仙骨の間の2カ所でよく発症します(全体の約90%)。
よって、痛みが出る場所や症状はだいたい決まっています。
・主な神経症状
⓵L3~L4腰椎の間ヘルニア
太ももの前の部分が痛んだり、だるくなったり、時にはしびれたりします
⓶L4~L5腰椎の間ヘルニア
お尻から太もも、ひざ、足の親指に達する痛み。足の親指と人差し指の間に物が挟まったような違和感
⓷L5腰椎とS1仙骨の間ヘルニア
太ももの裏側から小指までの痛み。痛みでつま先立ちができず、外くるぶしの下にしびれなどの違和感、
手術を考えなければならない特定症状
馬尾神経症候群、腰痛や下肢の神経痛・しびれなどの感覚障害、下肢の運動麻痺、尿閉や尿・便失禁、
性機能障害など急激に進行する運動麻痺、下垂足が出るなどの場合、
高度で耐え難い疼痛が出続ける1~3ヶ月の保存療法でも全く変化が出ず、
さらに悪化する傾向がある場合 馬尾神経症候群になる前に通常は何らかの処置をすべきです。
この段階になる前に早めに来院してもらえれば回復は早いです。
2.神経障害
痛みには、その原因がはっきりわかるものと、わかりづらいものがあります。
例えば傷は治ったのに痛みだけが残る、病気をしてからその症状は治ってはきたがシビレや違和感、
疼痛等の症状のみが長く続いているなどの場合など、何らかの原因で神経が障害されて痛みが生じていることがあります。
このような痛みを「神経障害性疼痛」といいます。
神経障害性疼痛の原因
1帯状疱疹ヘルペスやHIVなどのウイルスの感染症
2糖尿病や痛風などの代謝性疾患
3がんの腫瘍による神経圧迫・神経への浸潤
4脳血管障害(脳内出血・くも膜下出血・硬膜下出血)
5腰の骨、筋肉、靭帯、軟部組織等の損傷脊柱管狭窄やヘルニアによって神経が圧迫/障害
3.ストレスや鬱などの心理的な要因
◎特徴的な症状
⓵腰が痛いのに検査をしても異常がない
X線(レントゲン)などの画像検査を行っても、骨や筋肉、神経などの組織に異常がみられず、
腰痛につながるような病気もなく、原因不明の痛みである
⓶治療の効果がない
色々な治療法を試しているのに治らない。鎮痛薬もあまり効かない。
手術をしても痛みが消えない。一度症状が和らいでもすぐに再発するなど
⓷腰痛以外の症状がある
腰だけでなく、頭、首、肩など他の部位にも痛みがあり、肩こり、不眠、胃の不快感、吐き気、動悸など、全身的な不調を合併している
◎痛みの特徴
⓵痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが変わる
日によって痛む場所が移動することが多い。1か所だけでなく腰や背中など複数の部位が痛む傾向がある。
痛みが増したり減ったりする。痛み方が変わる(重苦しい、ズキズキ、チクチクなど)
⓶姿勢や動作に関係なく痛む
一般的な腰痛は、前かがみや体を反らせた時に痛むとか、動き始めや長時間動いた時に痛みが強まるなと、
姿勢や動作に依存した痛みがみられる。心因性腰痛の場合、そうした明確な特徴がない
⓷腰痛が長期間続く
半年以上しつこい痛みが続き、一度治まっても度々再発するなど、腰痛が慢性化している
⓸嫌なことを始める前など、ストレスが大きくなる時に痛み始めたり痛みが大きくなる
⓹朝方に痛む(※鬱(うつ)の場合)
腰痛は一般的に一日腰を動かして疲労がたまる夕方頃に痛みが強まる傾向があるが、
うつの症状は朝から午前中にかけて症状が強く現れ、午後から夕方にかけて和らぐ。
腰痛もそれに連動して起こるため朝方の腰痛が多くなる こうした特徴が多く当てはまるほど、
腰痛に心理的要因が関わっている可能性が高いと思います。
4.内臓の病気
胃、肝臓、腎臓、子宮などの内蔵器官の病気の中には、症状の一つとして腰痛が生じるものがあります。
一見、腰とは関係のない箇所の障害で腰痛が発生するのは、臓器周辺に発生した痛みが腰にまで響いたり(放散痛)、
ある部位の痛みを別の部位の痛みと脳が勘違いしたり(関連痛)、病巣が腰の近くの組織まで広がって痛みをもたらしたりするためです。
◎内臓の病気による腰痛の特徴
⓵安静にしていても痛む。更にどんな姿勢をとっても痛みが楽にならないことが多い、夜間、就寝中でも痛む
⓶腰痛以外に、発熱、悪寒、吐き気・嘔吐、だるさ、腹痛、排尿や排便の異常といった合併する内科的症状がある
⓷1週間以上たっても痛みの改善ない時。もしくは徐々に痛みが増悪する。
⓸食事に関連して痛みが発生したり強まったりする(空腹時や食後に傷んだり、食事中は和らぐなど)急性膵炎、十二指腸潰瘍など
⓹排便や排尿の障害が見られる症状で仙骨部の疼痛(排尿時の痛みや血尿など)腎疾患、膀胱炎前立腺肥大など
⓺婦人科系疾患で月経(生理)に関連して痛みが強まる ※骨、筋肉、神経などが原因の場合は、
動かずに横になっていれば痛みが和らぐことが多いが内科的疾患が原因の腰痛は全体の1%ぐらいです。
しかしながら見逃したら命取りになることもあります
※ 腰痛を引き起こす内臓系の病気
1.消化器系の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、胃下垂、肝硬変、肝臓がん、膵炎、膵臓がん、胆嚢炎、胆石症、大腸がん
2.泌尿器系の病気
尿路結石、腎盂腎炎、腎周囲炎、水腎症、腎梗塞、単純性腎嚢胞、腎静脈血栓症、腎下垂
3.婦人系の病気
子宮内膜症、子宮筋腫・子宮ポリープ、子宮がん、子宮頸管炎、月経痛(月経困難症・月経前症候群)、月経不順、更年期障害
4.血管系の病気
腹部大動脈瘤
◎当院の腰痛に対して行うこと
腰は体の中でも真ん中に位置しています。
そのため体の様々な場所の不具合を、カバーしたり
バランスを取るのに歪みを作ったりと 負担がかかりやすい場所になります。
その為、腰痛では腰だけではなく、足や腕、首などもみていき
筋肉のバランスを整え、足首・背骨・腕の歪み捻じれを整えていきます。
腰痛になりやすい状態、腰に負担がかかってしまうような体の歪みと筋緊張を
取り除いていくことで、腰痛を改善していきます。
また、ストレス性(心因性)の腰痛に対しては、ストレスにより自律神経のバランスが崩れることで腰痛を引き起こします。
その場合では、自律神経は脳によって支配・コントロールされますので、
脳のストレス抜きを行い、脳がしっかりと働くようにすることで自律神経の機能を上げ自己治癒力を発揮できる身体にしていきます。
来院して頂いた際に、腰痛の原因を問診・検査等により見極めて、痛みを改善できるようお手伝いさせていただきます。
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