「足根管症候群」

足の内くるぶしの下にある「足根管」という名前を聞いたことはありますか？

足根管は、血管・神経・筋腱が通るトンネルです。

ここで障害が起こると、足裏に嫌な症状が出てきてしまいます。

これを「足根管症候群」といいます。

足根管症候群は足の裏にでる神経症状ですが、

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は脊椎が原因となっているのに対して

足根管症候群は末梢神経が原因となります。

足根管とは

内くるぶしとかかとの間に、足根管というスペースがあり

そこを後脛骨神経、後脛骨動脈・静脈が一緒に走行しています。

さらに、後脛骨筋腱・長趾屈筋腱・長母趾屈筋腱も走行しており

それらの筋腱・神経・血管を脛骨から踵骨にかけて

屈筋支帯が覆い足根管を形成しています。

足根管症候群の症状

症状は主に足裏の感覚異常や痛みが出ます。

・足裏の痺れ、痛み、感覚鈍麻
・かかと以外に症状が出る
・足底の内側に症状が出やすい
・足の甲には症状は出ない
・ちくちく感やぴりぴり感
・足裏の皮が厚くなった感じや、砂利を踏んずけているような感じ
・灼熱感や冷感

足根管症候群の原因

足根管は、狭いスペースの中を3つの筋腱・動静脈・神経が同時に走行する為、

各々が圧迫負荷を受けやすい状態になっています。

そして後脛骨神経が、足根管の中で圧迫などの物理的負荷を受けることで、

内くるぶし周辺から足底にかけての痺れや痛みの症状が「足根管症候群」になります。




◎物理的圧迫
打撲やきつい靴等により、直接神経付近に外力が加わり神経症状が出現します。




◎足関節捻挫や骨折
捻挫等の外傷後に、後脛骨筋などの下腿屈筋などは拘縮を起こしやすく、

それが足根管内の内圧を上昇させ、脛骨神経にも刺激が加わり症状が出現。

また捻挫後は、足関節のアライメント異常が起きやすく、これによっても

脛骨神経にストレスが加わり出現します。




◎回外足・回内足(偏平足)

・回外足(内反足)
踵骨が内側に変位すると、足根管のスペースは狭くなり、

足根管内圧が上昇し脛骨神経を圧迫されることでストレスが加わり出現します。


・回内足(外反足)
踵骨が外側に変位すると、足根管の内圧は低下するが、

脛骨神経は伸張されされることでストレスが加わり出現します。



◎腱鞘炎
後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋には腱鞘があり、これが炎症を起こすことで

脛骨神経にストレスが加わり出現します。



◎関節リウマチ・ガングリオン

足根管症候群の治療法

◎足関節のアライメント修正

足関節、特に距骨が過去の捻挫等の要因により、

距骨のアライメントが悪くなっています。

これが神経を圧迫し足根管症候群の原因の一部になる為、

距骨を正しい位置に修正します。



◎脛骨神経・屈筋腱・屈筋支帯のリリース

脛骨神経・屈筋腱・屈筋支帯の滑走不全を改善することで

動きを良くし神経へのストレスを減らします。




足根管症候群では、足関節のアライメント異常で起こることが多く

これを正常な位置に戻すことで、脛骨神経への刺激や圧迫が減り

痛みも改善してきます。

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